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展示解説

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東京科学大学博物館に展示中の収蔵品の解説を集めました。
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#機械遺産

パーソンズ・タービン

1884(明治17)年、イギリスのチャールズ・A・パーソンズ(1854-1931)は、世界初の蒸気タービンを発明し特許を取得しました。 蒸気タービンは、長い間、多くの発明家達の注意を引いており、1880(明治13)年までに100件ほど特許が登録されてはいましたが、満足な機械を製作するのに役立ったものはなかったといわれます。 パーソンズは、当時もっとも緊急な技術的要求の一つが発電機に直結して駆動する機関の開発にあったことから、在来の直接軸の周囲に取り付けた羽根に蒸気を吹き当

ツェッペリン飛行船のギアボックス

解説 本減速機(ギヤボックス)は,第一次大戦の戦時賠償として1920年に日本に引き渡されたLZ75註)ツェッペリン(Zeppelin)飛行船のものではないかと言われています.本学精密工学研究所歯車工学部門に古くから置かれており,研究室のメンバーにはツェッペリンのプロペラ駆動用ギヤボックスと言い伝えられていました. 当該飛行船は1916年11月に初飛行後,偵察,爆撃などの作戦行動を行い,1917年12月に退役しました.終戦(1918年11月11日)後の1920年に戦時賠償と

豊和工業N型織機

N型織機は、豊田式織機株式会社(現豊和工業株式会社)が1917(大正6)年頃に製作した国産の代表的な普通綿織機で、国内に普及するとともに海外にも輸出されました。 展示品は1961(昭和36)年に購入されたものですが、1935(昭和10)年にはすでに同種の織機が紡織学科に設置されていたという記録があり、旧機の更新を目的として導入されたと推定されます。

フラットカード(梳綿機)

フラットカードは、綿紡績工程の中のカーディング工程を受け持つ機械です。カーディングとは、綿塊を細長い「しの状」の製品(スライバ)に加工することです。カーディング工程の後、錬条工程で多数のスライバを一本に引きそろえて引き伸ばす操作を繰り返して太さのむらを少なくし、同時に繊維を平行に引きそろえる操作を経て、精紡工程の最終製品である綿糸が出来上がります。 展示されているフラットカードは、世界一流の繊維機械メーカとして長い歴史をもっていたイギリス Platt Brothers 社が

大型毛織機ドブクロス

ドブクロスとは、イギリスの地名で、そこで作られた毛織機の呼称です。19世紀後半から1960年代後半まで生産されていましたが、大戦後の技術改革に追われ急速に失われました。最近では高級服地の生産用として細々と生き残ってます。本機は、イギリス Hutchinson & Hollingworth 社製で、関東大震災後の政府の復興援助資金で輸入され、1924(大正13)年に本学に設置されたものです。 当時の最新機の一つであり、織物組織を司る「綜絖(そうこう)枠」(15枚まで可能)のた

ミニチュア・リング精紡機

展示されている精紡機は、イギリスのPlatt社がShirley Miniature Spinning Plant として教育用に製作したミニチュアプラント(紡織機)の一部で、他にカード機(梳綿機)と錬条機からなり、スライバないし粗糸を供給して糸をつむぐ機械です。文部省から1968(昭和43)年に全国の繊維工学科を持つ国立大学に特別交付され、学生実験に広く用いられました。

スターリング・エンジン

スターリング・エンジンは、1816年、蒸気機関が盛んに使われていた時代に、スコットランドのロバート・スターリング(1790-1867)によって発明された外燃機関のエンジンです。このエンジンでは、シリンダー内の空気を加熱・冷却することによって、空気が膨張と収縮を繰り返し、ピストンを動かします。ガソリンエンジンなど内燃機関の発達により、忘れられた存在になったエンジンですが、次のような特徴から静かで安全なエコエンジンとして再注目されています。 1. 静かな動作:内燃機関はシリンダ